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Luddite 「技術革新に背を向ける人」 (PCを使わないサイバー担当相、海外でも話題に) [日本のニュース]

テレビを見ていたら、サイバー法案担当を兼務する桜田オリンピック担当相が「パソコンは使ったことがない」と述べたうえ、USBが何のことか知らないとみられる答弁をしたことが海外でも報じられている、と伝えていた。

そこでインターネットをのぞくと、なるほど英米のマスメディアが取り上げている。その記事のひとつから、Luddite という単語を取り上げよう。

イギリス産業革命の「ラッダイト運動」は世界史の授業で学んだが、以下に引用するくだりは、この時の機械化反対運動を指しているのではもちろんない。

- “Since the age of 25, I have instructed my employees and secretaries, so I don't use computers myself,” he said in a response to an opposition question in a lower house session, local media reported.

He also appeared confused by the question when asked about whether USB drives were in use at Japanese nuclear facilities.(中略)

His Luddite tendencies aside, Sakurada has also struggled to master his Olympic brief, less than two years before the Games open in Tokyo.
("System error: Japan cybersecurity minister admits he has never used a computer" The Guardian Nov. 15, 2018)

英和辞典を見ると「機械化・合理化に反対する人」と書かれているが、もっと今風といえるIT技術についても使えるということになる。単語自体は、機械打ちこわしの運動を率いた人物の名前に由来する。

英語圏の辞書から引用しよう。なお、この意味では小文字で始めて luddite としてもよい。

- derogatory A person opposed to new technology or ways of working.
a small-minded Luddite resisting progress
I'm not a Luddite, after all I work with the Internet for my job
Origin
Early 19th century: perhaps named after Ned Lud, a participant in the destruction of machinery, + -ite.
(Oxford Dictionaries)

- If you refer to someone as a Luddite, you are criticizing them for opposing changes in industrial methods, especially the introduction of new machines and modern methods. [disapproval]
The majority have a built-in Luddite mentality; they are resistant to change.
(Cobuild Advanced English Dictionary)

私よりずっと上の世代の方々を見ていると、IT関係に強くない、あるいは関心を持たないだけにとどまらず、「パソコンなんて使ってられるかぁ!」「オレはメールなんか見ない!」と公言し、積極的に敵視している人がいる。あのような人たちも Luddites ということになるのだろう。

以下余談だが、上記「ガーディアン」紙の記事では、桜田大臣の発言・姿勢に対する日本の野党の反発や一般の人からの批判ツイートも紹介されている。「パソコンを使わない大臣とは最高のサイバーセキュリティ対策」なんていう声も出ているそうだ。

そのような反応が出るのは当然といえば当然だろうが、今回の騒ぎについての日本人の反応をあらためてネットで読んでみると、「そんなことを言ったら防衛相やスポーツ庁長官は自衛隊出身者や元アスリートでなければ務まらないのか」「自分が使えるかどうかは重要ではない。官僚や専門家を使いこなしてどのような政策を進めるかが大切だ。野党の批判は的外れだ」といった声も見つかる。

しかし、この英文記事ではそうした意見は扱われていない。これだと「日本は批判一色」という印象を持つ読者もいるのではないだろうか。両論併記ではマスコミの記事としては意味がない、ということもあるのだろうが、私としてはちょっと気になるところである。

別に批判するのが悪いというわけではない。ただ、いろいろな声が出ているということが、こうした記事からではわからない。また裏を返せば、同じようなことが日本人が外国について書いた記事なり本なりにも当てはまるのではないか。

さらに話が飛ぶが、インターネット社会が到来した時、私はこれで人々が多角的な情報を得ることができるようになり、視野を広げる機会が広がるだろうと考えた。しかし、そうした想像はまったく浅はかなものだったと最近よく思う。

実際には人々はむしろ、自分の気に入る情報ばかりに接するようになったのではないか。また情報を流す側も、ターゲットにしたい受け手を絞り込んで、自分に都合のいい情報ばかりを大量に流すことができるようになった。

こうした傾向はますます強くなっているように感じられ、ちょっと怖くなってくるほどである。

・・・と難しいことを書いてみたが、今回の答弁以外にも目立つ桜田氏の迷走ぶり、やっぱり大臣として「いかがなものか」と、政治家がお好きらしいフレーズをこちらも使いたくなってしまう。


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英語学習者

岩波新書の「トランプのアメリカに住む」の中で著者の吉見氏はイーライ・パリサーのフィルター・バブルという概念を紹介していますが、まさにこの記事の最後から3つめの段落の内容の原因の説明になっています。「インターネットの検索サイトのアルゴリズムが、ユーザーの過去のクリック歴や検索歴に基づいて情報を構造化しており、ユーザーが見たいであろう情報を推定し、それが優先的に出てくる仕組みを実現している」ということで、結果として自分の関心にあう記事にだけ接することになり、気にいらない記事からは隔離状況だと。なんとなく気づいていることですが、実はかなり怖いことですね。
by 英語学習者 (2018-11-23 21:31) 

tempus fugit

英語学習者さん、こうした情報の利用は企業と商品では行われていたので、政治目的に使われるのも考えてみれば当然の流れだったのでしょう。ただ商品だといくら企業が売り込んでも消費者が気に入らなければそれまでですが、政治目的の情報は受け手の側にもともと受容の基盤があるので一層効果が見込めるのでしょうね。日本もそうした傾向が強まっていくのは残念ながら避けられないと思います。

by tempus fugit (2018-11-26 08:12) 

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