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in the dying moments 「試合終了間際」(サッカー日本代表、16強入りも大ブーイング) [ニュースと英語]

西野監督が会見で「不本意な選択」「他力に頼った」と認めたポーランド戦終盤での時間稼ぎは、会場の大ブーイングを浴びた。決勝トーナメント進出のために仕方なかったのだろうが、私も見ていてやはり残念だった。

ネットで海外メディアの英文記事の中を見ると、案の定、日本に対する厳しい声が集めたものが結構あった。会話で言うような下品な罵り言葉を使わずに非難するにはこういう言い方をすればいいのか、と思わず英語学習にからんだ妙な感心をしてしまったほどだ。

具体的にどのような単語が使われていたのか、興味がある方はご自分で確認していただくことにして、ここでは別の表現を取り上げよう。「ニューヨーク・タイムズ」紙にあったものだ。

- Knowing the situation, Japan spent the last few minutes calmly passing the ball around. With the game won, Poland was happy to do the same. It was a strange ending to a World Cup game. It was also a bit risky for Japan: Had Senegal scored in the dying moments, Japan would have been out.
("Japan Advances in World Cup 2018 Despite Losing to Poland" The New York Times June 28, 2018)

この in the dying moments は、文字通りには「(人間の)死に際に」「今際の際」ということだが、サッカーに使っているところがおもしろい。この文脈ではもちろん、「試合終了の直前に」「試合の最終盤」を意味しているはずだ。

そう思いながら、いちおう電子辞書を引いてみたら、「ロングマン現代英英辞典」が、この表現をイディオム的に扱っていることがわかった。定義をみるとスポーツに限らず使えるはずだが、用例はサッカーと思われるところが、さすがイギリスの辞書である。

- in the dying minutes/seconds/moments (of something)
during the last minutes, seconds etc before something ends:
United scored an equaliser in the dying minutes of the game.
Chandler's goal was in the dying minutes of the game.
(LDOCE)

そういえば sudden death という言葉があるが、やはりサッカーあるいはスポーツの試合(の敗北)は「死」との連想が働きやすいのだろうか。

こちらも連想をひろげて own goal を辞書で引いてみたら、サッカーの「オウンゴール」のほかに「墓穴を掘る行為」「自業自得の失敗」「失言」、さらにはイギリス英語の俗語として「自殺」という意味も載っていた。

ついでだが、日本では「サッカー」ということから英語は soccer と思いがちだが、これはアメリカ英語で、イギリスなどでは football あるいは association football になる。

その昔仕事で海外に行った時、現地の英字新聞に略号を使って assoc football と書かれていたのを見て、一瞬何のことかと思った。またアメリカで football といえばふつうアメフトを指すというのでややこしい。

さて16強入りを決めたものの、今回の采配のためか日本のメディアの報道もちょっとすっきりしないように思う。”フェアプレーポイント”制の初適用となったが、勝ちに行かず意図的に負けたのはあまり”フェアプレー”らしくない、というのもそれに輪をかけているようだ。

とはいえ、仮に攻めの姿勢を見せて逆にポーランドに追加点を許し(ついでだが「得点を許す」を表すには動詞 concede が使える)、決勝トーナメントに駒を進められなかったとしたら、どうなっていただろうか。一部のファンやマスコミから袋叩きにあい、”戦犯さがし”も始まっていたのではあるまいか。

海外メディアが何と言おうと、西野監督の采配は、日本人が他人の目を気にしない(伝統的には”らしくない”)ドライな決断を下せるようになった実例だといえるかもしれない。

私自身の限られた過去の海外体験を振り返ってみても、「外国人はずるい、日本人は(自分を含めて)お人好しすぎるよなあ」と思うことが多々あったものだ。

「スポーツの国際大会は、国家間戦争の平和的な代替手段だ」という言葉をどこかで読んだような記憶がある。そうであれば、結局は勝たなければ何の意味もないということになりそうだ。

それでも、今回の試合は「サムライ」らしくないなあ、という思いが拭えず、複雑な気持ちである。


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Kawada

Tempus fugit様

西野監督が初めて買った馬券で「大金」を手にしたというエピソードをスポーツ紙で読んだことがあります。彼には「運」を引き寄せる力があるように思えます。
ですが、キャプテンの長谷部誠選手が投入されてからのプレーはいただけないかなと考えております。これが仮に柔道なら、審判からの指導が3回入って負けていたのではないでしょうか。
by Kawada (2018-07-01 10:04) 

tempus fugit

サッカーでの時間稼ぎ作戦は、ドイツチームが昔行って非難されたのがいまだに語り草になっているそうで、それに今回の采配をなぞらえた記事もありました。

一方で、時間稼ぎといっても、あの時点では決勝トーナメント進出が確保できるとは限らなかったわけで、相当な決断力が必要だったのだろうな、とも思います。

私も「指導」がある柔道を生んだ日本の生まれなので、本文に書いたように複雑な気持ちですが、あのようなルールがあるスポーツ競技が他にどれくらいあるのか、調べてみるとおもしろいかもしれませんね。

by tempus fugit (2018-07-01 10:38) 

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