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Parthian shot ~捨てゼリフ#2 (「緋色の研究」) [シャーロック・ホームズ]

少し前に parting shot 「捨てゼリフ」を取り上げた際、古代の国パルティアに関係ある Partian shot に由来するという説を紹介したが、こちらを使った実例を見つけたので書き留めておきたい。

見つけたと言っても、私の好きなシャーロック・ホームズの作品にあったので、これまで気づかなった自分の目が節穴だったというべきだろう。

シリーズの記念すべき第一作「緋色の研究」に出てくるものだ。

- 'One other thing, Lestrade,' he [Holmes] added, turning round at the door: '"Rache" is the German for "revenge"; so don't lose your time by looking for Miss Rachel.
With which Parthian shot he walked away, leaving the two rivals open-mouthed behind him.
(A Study in Scarlet by Arthur Conan Doyle)

作品のはじめの方で、殺人事件の現場を調べ終わったホームズが、死体を最初に発見した警官に会うためにそこを離れる場面である。

部屋の壁には RACHE という血染めの字が書かれていた。同じく現場にいるレストレード Lestrade 警部は、「これは犯人が”レイチェル” Rachel という女性の名前を書こうとしたのに違いない」と言う。

そこで上記の部分になるわけだが、去り際にホームズは警部に対して「Rache はドイツ語で”復讐”という意味で、女性を指しているのではない。実際には居もしない Rachel を探そうするなんて時間のムダだ」と捨てゼリフ Parthian shot を残した、ということである。

- 捨てぜりふ;別れ際に残す辛辣な言葉
cf. parting shot (また Parthian shaft)
(1902. 古代 Parthia の騎兵が逃げながら(または逃げるふりをしながら)敵に矢を射た習慣から)
(ランダムハウス英和大辞典)

ていねいな説明だが、原作者コナン・ドイルが「緋色の研究」を発表したのは1889年なので、少なくともその時までにはこの表現は使われていたはずだ。つまり「1902年」という「ランダムハウス」のこの初出情報は明らかに間違っていることになる。

ところで、なぜ今回この表現が目にとまったかというと、ベネディクト・カンバーバッチ主演の人気テレビドラマ「シャーロック」 Sherlock の再放送が今月からBSで始まったのがきっかけだ。

舞台を21世紀に移したこのシリーズの第一作が A Study in Pink (邦題「ピンク色の研究)なので、原作の第一作「緋色の研究」を何気なしにパラパラ見返していたら、偶然この言葉が目に入ったしだいである。

この部分を読んで、もうひとつ書きたいことを思いついたが、長くなりそうなので次回以降に譲ることにする。

「緋色の研究」についての過去の記事:
「緋色の研究」(あるいは「習作」)のこと
「緋色の研究」の「タメ語」の研究
「緋色の研究」の新訳 (「シャーロック・ホームズ全集」)


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