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arrest 「軍用機の空母へのワイヤー着艦」 (中国初の国産空母が進水) [注意したい単語・意外な意味]

前回は「航空母艦」と「角刈り」を指すスラング flat top を取り上げたが、時を同じくして、中国が初めての国産空母を進水させた。ということで、今回も空母をネタに、「逮捕」とは違う arrest の意味について書いてみたい。

ニュースなどで軍用機が空母に着艦する様子を見ることがある。そうした映像でわかるように、空母には飛行場のような長い滑走路がないため、甲板上にわたしたワイヤーを軍用機のフックがひっかける形で無理やり停めている。これを arrest と呼ぶことを知り、おもしろいと思った。

arrest は「逮捕(する)」として覚える人が多いはずだが、「動きを止める」「進行を抑止する」「阻止する」というイメージでとらえるとよさそうだ。

犯人を追っかけて捕まえてお縄をかけるのもそうだが、そのままでは甲板を越えて海に落ちてしまう艦載機をワイヤーとフックで急停止させるのも arrest ということになる。病気の進行の抑止や心臓の鼓動などの停止にも使える。こうした「逮捕」以外の arrest については、これまでも何度か触れたことがある(→ 「逮捕する」ではない arrest)(→ 「心肺停止状態」は英語で何といえばいいのか)。

着艦用のワイヤーとフックも、それぞれ arresting wire (あるいは arresting cable), arresting hook と呼ばれている。日本語でもそのままカタカナ語にして「アレスティング・ワイヤ―(フック)」と言うらしい。

さて、今回ニュースになった中国の空母は、甲板の先の方が上向きに反っている。これは着艦とは逆の発艦にかかわる特徴だ。

アメリカの空母にみられる平たい甲板では、短い距離で離陸させるためにカタパルトという装置で艦載機を加速して放り投げるように射出する。catapult はもともと、石や矢を放つための古代の器具のことだ。

一方、中国の空母は、カタパルトの代わりに甲板を反り上がらせて角度をつけることで離陸させる。これをスキージャンプ甲板と呼ぶそうで、カタパルトより技術やコストの面でハードルが低いが、欠点や制約も大きい。

このように、反り上がった甲板で艦載機を発艦させ、ワイヤーとフックで着艦させる方式を STOBAR (Short TakeOff But Arrested Recovery) と呼ぶそうだ。ここに今回の arrest が出てきたわけである。

- China’s second aircraft carrier, but its first locally built, has been floated off its dry dock, and its formal launch appears imminent, even as the country continues development work on other aspects of its carrier program. (中略)

The new carrier is based closely on the PLAN’s sole operational aircraft carrier, Liaoning, with an angled flight deck and a ski jump for short takeoff but arrested recovery, or STOBAR, operations.
(注・PLAN: People’s Liberation Army Navy)
("China set to launch second aircraft carrier" Defense News, April 24, 2017)

さらにオタク的になるが、カタパルト射出による発艦・ワイヤー着艦の方式は CATOBAR (Catapult Assisted TakeOff But Arrested Recovery) というそうだ。

そういえば子供の頃、垂直に離着陸する飛行機を「ブイトール」と呼ぶと雑誌か何かで知ったが、これは VTOL (Vertical TakeOff and Landing) であった。こうした軍用機は昔は「ハリアー」 Harrier、最近では「オスプレイ」 Osprey が有名だろうが、こちらは tilt-rotor という言葉でも呼ばれ、以前ちょっと触れたことがある(→ 「涼しい顔で」 cool-as-a-cucumber soldier)。

中国の最初の空母は旧ソ連(ウクライナ)からのお下がりを改装 refit, retrofit したもので、それに基づいて造られたのが今回進水した2番めの艦である。スキージャンプ甲板などそっくりとはいえ、初の国産ということで独自の建造能力・技術を持ったことになる。

そして次に造られる国産2隻目の空母は、カタパルトを備えたより高性能なものになるという情報も報じられていた。

- The People’s Liberation Army Navy (Plan)’s third carrier — the Type 002 platform — will have the catapult-assisted take-off but with arrested recovery (Catobar) flight-deck configuration.

Aircraft launched from such a system can carry more ordnance and can fly farther compared to that launched via the short take-off but arrested recovery (Stobar) configuration found in China’s first two carriers.
("China’s new ‘002’ aircraft carrier to pack more air power" Today OnlineFeb. 14, 2017)

中国の軍事力増強と海洋進出で、日本の南方の海もますます”波高し”となりそうだ。


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