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酉年 the year of the Rooster にちなんで英語のトリビアを少々 [単語・表現]

今年は「酉年」である。手持ちの和英辞典には the year of the Rooster あるいは the year of the Cock とある。ネットを見ると他に the year of the Chicken も多く使われているようだ。

日本語で「鶏年」と書いたらヘンだろうが、英語では自分たちの文化慣習ではないこともあり唯一の言い方をするわけではないのだろう。ただ hen を使った例は(No pun intended)、ヒットはあるものの数はぐっと減るうえ、内容を読むと干支と関係ないものも目立つようだ。

雄鶏を指す単語としては、アメリカ英語では cock よりも rooster が好まれるという記述が一部の辞書に載っている。ご存知の方も多いだろうが前者は俗語として性的な意味があるからだ。まあ干支に使う場合はあまり神経質になる必要はないだろうとは思うが、知っておいてもいい情報とはいえるだろう。

一方で、「闘鶏」を指す単語は cockfight で、roosterfight, rooster fight を載せている辞書は見当たらなかったのがちょっとおもしろい。ネットで検索すると、後者の言い方もヒットするが数は少なかった。この形で定着した言葉であり、cock 単体とはちょっと違うということだろうか。

「闘い」ということで連想するのは game of chicken である。2人が車を正面衝突するように向かい合わせに走らせて先にハンドルを切って避けた方が負け、というゲームを指す。日本語では「チキンレース」というがこれは和製英語だそうだ。

勝とうと無理をして死んでしまっては元も子もないと思う私は、こうした命をかけるような度胸試しには向いていない。まさに chicken 「臆病者」である。the year of the chicken とすると「腰抜けの年」になってしまう、なんてことにはなるまいが、cock もちょっとヤバいのであれば、「酉年」には the year of the rooster を使うのがイメージ的にも語呂的にも私の好みに合っていそうだ。

game of chicken で私がすぐに思い浮かべるのは、「アメリカン・グラフィティ」 American Graffiti で若き日のハリソン・フォードがチョイ役で演じていたチキンレースのシーンだ。

この映画は最初に見た時はどこが良いのかよくわからなかったが、後日なぜか「また観たい」と思うようになり、再度の鑑賞でひどく気に入ってしまったというのは、ハリソン・フォードが後に主演した「ブレードランナー」 Bladerunner と同じである(参考→ gibberish 「ちんぷんかんぷん」(映画「ブレードランナー」))。

改めて辞書をひいたら game of なしの chicken だけでも「チキンレース」を指すという。 play chicken のように使われる。スポーツやゲーム、勝負事をする際の他動詞 play は、後に続く名詞がふつう無冠詞になるが、これもその例といえそうだ。

そういえば、無冠詞の chicken は鶏肉を指し、ニワトリの場合は a chicken となるが、「鶏肉を食べた」のつもりで I ate a chicken. とすると、「ニワトリを一羽捕まえてそのまま食べたことになり、血と羽だらけの口元に微笑を浮かべている情景が目に浮かぶ」という主旨のことをマーク・ピーターセン氏が名著「日本人の英語」の中で書いていたのを思い出す。

さて、「チキンレース」とは実際に行われるものなのか、そのあたりをてっとり早く知りたいと思って Wikipedia を見たが、事例についての記述はないようだ。むしろ、

- The phrase game of chicken is also used as a metaphor for a situation where two parties engage in a showdown where they have nothing to gain, and only pride stops them from backing down.
https://en.wikipedia.org/wiki/Chicken_(game)

として、比喩的に使われることやゲーム理論としての説明が充実していた。これは実行されたのは稀ということなのだろうか、どうにも謎で、ご存知の方がいたらご教示いただければ幸いである。

cock にからんだ話に戻ると、酒の「カクテル」 cocktail はなぜ「ニワトリのしっぽ」なのかと思うが、これには諸説あるらしい。「ランダムハウス英和大辞典」には、「かき混ぜ用の鳥の羽にちなむ」「尾の美しい鶏または切り尾の馬を酒場の看板にした」「ニューオーリーンズで容器に用いたフランス語 coquetier(卵立て)の変化」「フランスの混合酒 Coquetel から」、などといった説が列挙されている。

この単語について World Wide Words というウェブサイトには、

- H L Mencken wrote in 1946 that he had found forty supposed etymologies (中略).
The problem is that the word cocktail suddenly appears in print in 1806, with no trail of earlier forms that would enable us to determine its provenance. It’s as though some alien had suddenly put it into men’s minds in that year.
http://www.worldwidewords.org/qa/qa-coc3.htm

と書かれていて、ユーモアを交えているものの困惑ぶりも伝わってくる。遠い昔というほどではない19世紀はじめに突然使われるようになり、由来に40通りもの説があって結着がついていない、謎の言葉というわけである。

ところで、cock ではなく rooster が使われた rooster tail という言葉もあるが、こちらはカクテルとはまったく関係がなく、「モーターボートなどが後方に巻き上げた水しぶき」を指す。こちらの方が「ニワトリのしっぽ」に似ているといえるだろう。この表現についてはずいぶん前に取り上げたことがある(→ 「雄鶏の尾」ではない rooster tail)。

ということで、年始めとあって連想のおもむくまま、干支を取っかかりにして取りとめなく書いてみた。エンジンがかかるまでにはまだ時間がかかりそうだが、少しづつ調子をあげていきたい。



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