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flying blind 「何かに頼らずに行動する」 (トランプ氏、毎日のブリーフィングを断る) [アメリカ政治]

トランプ次期大統領で注目を集めているのは閣僚人事だが、あわせてニュースになっていたのが、情報機関による日々のブリーフィングを断っていることだ。これについてオバマ大統領が "flying blind" とコメントしていて、うまい言い方をするものだな、と思った。

アメリカの情報機関は次期大統領に対し、就任する前から内外情勢について状況説明を行う。歴代の大統領は当選後ほぼ毎日受けていたが、トランプ氏は週1回程度にとどまっているという。これについて、最近のFOXテレビのインタビューで本人が次のように述べた。

- I'm, like, a smart person. I don't have to be told the same thing in the same words every single day for the next eight years...I don't need that. But I do say, 'If something should change, let us know.'

同じようなことを毎日聞く必要はなく、何か変わったことがあったら教えてくれ、ということになる。"I'm a smart person." だからだそうだ。なおここに挟まっている like については以前取り上げたことがある(→ 「~みたいな」「~ていうか」の like)。

これについてオバマ氏がテレビのインタビューで述べたのが、

- It doesn't matter how smart you are. You have to have the best information possible to make the best decisions possible.

And my experience with our intelligence agencies is that they are not perfect. They would be the first to acknowledge that. But they are full of extraordinarily hard-working, patriotic and knowledgeable experts, and if you are not getting their perspective, their detailed perspective, then you are flying blind.

であった。

私は fly blind を何かのノンフィクションを読んでいて覚えた。肉眼・目視によらない飛行、つまり「計器飛行」を指すことが内容からわかった。

計器は重要な支えだ。オバマ氏は、そんな支えとなる日々の状況説明を受け付けない危なっかしさをこの言葉になぞらえたわけである。「計器飛行」というより字面通りの「盲目飛行」という感じで、不安にならざるを得ない。

この比喩的な意味は英和辞典にもあげられていて、「でたらめに行う」「当てずっぽうでやる」「訳も分からず行動する」「不案内のまま職務を果たす」といった訳語が書かれている。

また英語圏の辞書には、"fly an airplane solely by relying on instruments" という「計器飛行」の定義のほか、

- to try to do something new without any help or instructions (usually in continuous tenses)
We've never dealt with Eastern Europe before, so we're flying blind.
(Cambridge Idioms Dictionary)

- to be doing something without having any experience of doing it before or without having important information about what you are doing:
They are flying blind on this issue because they have no idea of the extent of the problem.
(Cambridge Advanced Learner's Dictionary)

といった記述があった。ひとつ目の説明にあるように主に進行形で使うようで、ふたつ目も flying blind の形が見出しになっている。

ところで、おもしろいことにトランプ氏は過去、オバマ氏が情報ブリーフィングを毎日受けていないと批判するツイートを行っていたそうだ。またトランプ氏がその根拠としたデータはいいかげんなものだったという。そのへんをまとめた記事のひとつに次のようなものがある。
"Donald Trump Used To Complain About Obama Not Getting Intelligence Briefings"
The Huffington Post Dec. 11, 2016

いずれにせよ、smart だからといって(トランプ氏がそう呼べる人物かどうかはさておき)的確な状況把握や判断ができるとは限らない。

人間はともすると自分の見たいものを見ようとする傾向があるはずだ。その自覚のもと、幅広い情報や自分の見方に反する分析にも注意を払いつつ決断を下せるのが smart と呼ぶにふさわしいのではないだろうか。閣僚人事も、蓋を開けてみればトランプ的な人物が次々と登用されている感があり、不安がさらに高まる。

最後に余談だが、英語学習書などで「blind は差別用語なので使うべきでない、visually-impaired などと言いかえよ」という内容を読むことがある。ところが私は、複数のネイティブスピーカーから「そんなことはない」「目が見えないという事実を指すだけで、差別的な意味はない」と言われたことがある。

非ネイティブの私には実際の語感はわからないし、どう感じるかは個人差もありそうで、なかなか一概に結論めいたことを出せそうにないように思う。これについては以前にも少し触れたことがあった(→ carte blanche 「白紙委任状」)。

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タグ:トランプ
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