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with impunity 「罰を受けることなく」「とがめられずに」 (「イスラム国」がパルミラの遺跡を破壊) [ニュースと英語]

月が変わって伝えられた大きなニュースといえば、「東京五輪エンブレムの使用中止決定」をあげる人が多いと思うが(BBC World のラジオニュースでもメイン項目のひとつになっていた)、個人的に悲しく、かつ怒りを覚えたのは、「イスラム国」がシリアのパルミラ遺跡にある神殿を破壊したことである。

もう20年ほど前のことになるが、仕事で短期間シリアに立ち寄る機会があり、日程に無理やり休みを入れてパルミラを訪れた。紀元前から栄え、ローマ帝国が支配下に置いた都市だ。

同じローマでも、映画の Roman Holiday のようなのどかな休日とは対照的に、灼けつくような陽が照りつける中、砂漠を通る道を車で走った強行軍だったが(なお、もともとの Roman holiday とは、奴隷同士を戦わせたりして観衆が楽しんだ古代ローマの残虐な娯楽のひとときを指す言葉だ)、目もくらむ陽光のもとに広がる石造りの壮大な遺跡群に強い印象を受けた。地中海世界はあちこちにローマ時代の遺跡があり、どこも訪れると当時の技術水準の高さと帝国の版図の広さに驚かされる。

世界遺産にも登録されている、そのパルミラ遺跡の中でも有名な「ベル神殿」が破壊されたという情報が、このほど国連機関の衛星写真によって確認された。

いくつかのニュースサイトに掲載されているAP通信の配信記事は、専門家のコメントを次のように紹介している。

- Amr al-Azm, a former Syrian antiquities official who now is a professor at Shawnee State University in Ohio, said he believed a very large amount of explosives was used and the damage to the Temple of Bel was likely extensive.

"This is the most devastating act yet in my opinion. It truly demonstrates ISIS's ability to act with impunity and the impotence of the international community to stop them," al-Azm said.
(AP, Aug. 31, 2015)

ここに出てくる impunity は punish に関係のある言葉だが、強勢のある第2音節は /pju:/ と発音される。「刑罰を受けないこと」「刑事責任の免除」などと辞書にあり、これに with がつくと「刑罰を受けずに」「とがめられることなく」という意味になる。

和文英訳式に考えると without を使った表現を使いたくなるが、単語自体に否定的な意味がある場合は with になるという、考えてみれば当たり前といえば当たり前のことが、おもしろくもあり、難しくもある。

こうした表現に慣れるには、やはり実例に繰り返し触れるに如くは無しであろう。そこでいくつかの辞書から引用してみよう。

- We should not let such an act stand with impunity. そのような行為を見逃すべきではない
(ジーニアス英和大辞典)

- go with impunity (物事が)大手を振ってまかり通る
You cannot do this with impunity. これをするときっととがめられる、無事ではすまされない
(研究社英和活用大辞典)

- if someone does something bad with impunity, there is no risk that they will be punished for it:
It's astonishing that these criminals are free to walk the streets with impunity.
(LDOCE)

- without risk of punishment; with immunity from the negative consequences of an act; while being exempt from punishment.
The diplomat parked in illegal parking spaces with impunity.
Bob used his brother's property with impunity.
(McGraw-Hill Dictionary of American Idioms and Phrasal Verb)

日本は木の文化なので、古い建造物が最初に造られた時のままずっと残ることはまずないし、名のある寺社などが火事で焼失することも相次いだ。そこで、由緒ある建造物はいつかは建て直すものであり、時には原型の精神を生かしつつ工夫を凝らした形で手を加えて再生させることが前提になっているとも言えそうだ。その点で、細胞が入れ替わっても個体としては変わらずに成長を続けていくヒトにも似た所があるように思う。

一方で石の文化では、一度破壊してしまうとすべてが失われる。もちろん記録を元に復元することもできるだろうが、大変な労力と経費がかかるし、木の建造物の建て替えと同じような位置づけや連続性を、石の文化に生きる人びとも感じ取るものなのだろうか、としばし考えた。

そうしたことはともかく、月並みな感想になるが、かけがえのない文化財を人為的に破壊する行為はやはり許されるものではなく、本当に残念である。

なお私も BBC World News をインターネットラジオで聞いていて知ったのだが、Palmyra は英語では「パルマイラ」のような発音になる。第一音節の -a は「ア」と「エ」の中間のような音、強勢は第2音節の /ai/ に置かれる。

タグ:-発音
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