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"The king is dead, long live the king." (B. B. キング死去) [英語文化のトリビア]

"ブルースの帝王"こと B. B. King が死去した。といっても私は名前を知っている程度だが、英語に "The king is dead." という成句があるので、これを使って彼の逝去を伝える記事がきっとあるだろうと思いググったら、案の定、見出しなどに使われた実例が次々にヒットした。

その成句とは、"The king is dead, long live the king." というものである。もちろん実例は、"the King of (the) Blues" という彼のニックネームをもじったものと考えていいのだが、同時にこの言葉を連想させるものであることも、まず間違いあるまい。

以前もこの言葉に触れた記憶があるので検索したら、総理大臣が小泉さんから安倍さんに変わった時に、関連の英文に使われていたのを紹介していた(→さよなら小泉さん (lionを含む表現いろいろ))。もう9年前のことで、「今は昔」である。といっても、その時はこの言葉自体を取り上げたものではなかったので、今回はこれについて少し書いてみよう。

英文を読んでいると時おり目にするので私は何となく覚えたが、あらためて調べてみると、意外なことに、手持ちの英和辞典にはこの言葉がほとんど載っていない。唯一の例外は「研究社英和大辞典」で、

- 国王は崩御された.新国王万歳(もとフランスで伝令官が新国王の王位継承の布告に用いた文句の英訳)

つまり、the king が2回出てくるが、前半は故人で後半は即位したばかりの新王、と別人を指しているわけである。

ただ記述はこれだけで、現代の英文でも目にすることについての言及はない。もう少し詳しい情報を求めて Wikipedia を見てみよう。

- The King is dead, long live The King! (中略) is a traditional proclamation made following the accession of a new monarch in various countries. In modern times, it has become a popular snowclone.

The original phrase was translated from the French Le roi est mort, vive le roi !, which was first declared upon the accession to the French throne of Charles VII after the death of his father Charles VI in 1422. (後略)
(注 snowclone : a type of formula-based cliche that uses an old idiom in a new context - Urban Dictionary)
( http://en.wikipedia.org/wiki/The_king_is_dead,_long_live_the_king! )

とあり、15世紀はじめにフランスで使われた言葉が起源で、それがイギリスに入ったことがいろいろ説明されている。

興味を持つのは "In modern times, it has become a popular snowclone." についてだが、このあとの部分にも、

- Given the memorable nature of the phrase (owing to epanalepsis), as well as its historic significance, the phrase crops up regularly as a headline for articles, editorials, or advertisements on themes of succession or replacement.
(注 epanalepsis: 間を置いて同一語句を繰り返す「隔語句反復」)
(ibid.)

くらいしか書かれていないが、Wikipedia は disambiguation (曖昧さ回避)として "The King is Dead" という別項を立てており、こちらの言葉を冠したTVドラマや小説、音楽が列挙されていた。

他の実例を探してみよう。B. B. キングのニックネームにある Blues を Pop に入れ替えると、以前触れたことがあるように Michael Jackson を指す(→off the wall (マイケル・ジャクソン「オフ・ザ・ウォール」))。

そこで、マイケルが死去した時に、今回の言葉が使われていなかったか検索してみると、やはりぞろぞろと見つかった。そのひとつ、マイケルの死後、生前の作品がバカ売れしていることを報じる「フィナンシャル・タイムズ」紙の記事は、タイトルに後半を含めた全体の言葉も入れた上、本文でももじっている。

- The King is dead, long live the King

It’s no consolation for the felled King of Pop but his death has sparked the revival he hoped to achieve with those ill-fated comeback concerts in London. The King of Pop is dead, long live the King of Pop.
( http://www.ft.com/cms/s/0/a2819752-6764-11de-925f-00144feabdc0.html )

「マイケル死すともマイケル(の歌)は死なず」、という感じだろうか。

King をめぐっては、実はこの週末、偶然にも別の「キング」についておもしろいものを見つけたのだが、それについては次回書くことにしたい。

追記:
B. B. キングについて、冒頭で「名前を知っている程度」と書いたが、自分のCD棚をひっくり返していたら、エリック・クラプトンと共演したアルバムを持っているのを見つけた。

十数年前に出た作品だが、すっかり忘れていたのは、たぶんクラプトン狙いで聴いたものの、その点で物足りずあまり印象に残らなかったということか。私もさらにトシを取り音楽の嗜好も変わっているので、これから愛聴盤になることは残念ながらなさそうだ。


Riding With the King

Riding With the King

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Reprise / Wea
  • 発売日: 2000/06/09
  • メディア: CD


タグ:訃報
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