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Dutch uncle, Turkish delight, French leave ~国名のついた表現 (刑事コロンボ「殺しの序曲」) [固有名詞にちなむ表現]

往年の名作ドラマ「刑事コロンボ」の一作 The Bye-Bye Sky-High IQ Murder Case を久しぶりに観たが、このエピソードには、"国名のつく英語の言い回し"がまとまって出てくるシーンがあるので紹介しよう。

Mensa (知能指数トップクラスの人だけが加入できる社交クラブ)に似たサークルで起きた殺人事件を描いたストーリーだが、ラストシーンで、真相を突き止めたコロンボの力量に感心した犯人が、"仲間はずれ"当てクイズを出す。もちろん、コロンボは見事に回答を言い当てる。

- 犯人: Lieutenant, I'm going to give you four words, and you tell me which one does not belong.
Asphalt, uncle, delight, leave.
コロンボ: Which word doesn't belong? Asphalt, uncle, delight, leave. Well, let me see. We got Uncle Sam. Dutch uncle...
Asphalt's the word, sir. Because you can have Turkish delight, French leave and Dutch uncle. All nationalities.
犯人: Lieutenant, have you ever considered a different line of work?
コロンボ: Me, sir? No. Never. I couldn't do that.

というわけで、答えは asphalt となる。これ以外は、どれも国名をつけるとまとまった意味になるからだ。

- Dutch uncle ずけずけと批判する人

- Turkish delight トルコの砂糖菓子

- French leave 無断退出

この中では French leave が日本人学習者にはもっとも知られているのではないだろうか。French と Dutch は他にもいくつかの成句に使われているが、当の国民が聞いたら怒りそうなものがあるのがおもしろい。興味のある方はお調べいただきたい。

また国名ではないが、セリフにある Uncle Sam は、「アメリカ合衆国」や「アメリカ人」を指すことをご存知の人と多いと思う。イラストなどに描かれた姿もよく知られているだろう。

Turkish delight は、私もその昔トルコを訪れた時に食べたことがあるが、たいへん美味しかった。現地では「ロクム」と表記できる音で呼ばれている。日本語のウェブサイトには、「ゆべしに似た菓子」と説明しているものもあり、それで想像していただけるかと思う。この名前を冠したスナック菓子などの関連情報が下記のサイトで読める。
http://en.wikipedia.org/wiki/Turkish_delight

ところで、日本語版「殺しの序曲」のこのシーンは、コロンボ・ファンの間では名訳として知られている(はずである)。当然ながら直訳では意味をなさない。そこで、"仲間はずれ"は同じだが、まったく違った、しかもひとひねり加えた言葉に置きかえている。

犯人: 単語を4つ出しますが、ひとつ共通点のないのをあげて下さい。
借用、外泊、敗北、欠勤。
コロンボ: 共通点のないものですか? 借用、外泊、敗北、欠勤。
待ってくださいよ。借用って言うと「無断借用」・・・あ、それ「敗北」でしょう?
「無断外泊」に「無断借用」、「無断欠勤」。でも「無断敗北」はありませんからね。
犯人: あなた、警察に置いておくには惜しいですな。
コロンボ: 私? とんでもない。上司に叱られる、無断で警察を辞めたら。

これは"創作訳"とでもいうべきものだが、よく考えついたものだと感心する。原語版以上に味わいのあるエンディングになっているとすら言えるだろう。

上記のシーンからは、なかなかのエピソードだという印象を与えるかもしれないが、全体を通して観ると、せっかくの"天才クラブ"という設定が十分生かされているとは言いがたく(メンバーは皆ちょっと変わり者で、そちらの面ばかりが描かれている)、犯人を暴くラストシーンの"対決"ぶりもいまひとつで、あと一歩食い足りないという、シリーズ最後期に目立つ残念な出来となっている。

犯人が誰なのかを最初に描くのはこのシリーズのパターン通りだが、犯人がトリックに利用したLPレコードプレーヤーを具体的にどのように使ったのかは描かれず、ラストシーンの謎解きで初めて明かされるのは新機軸といえそうだ。ただ、「天才クラブのメンバー」という犯人像にあわせた凝ったトリックとなっているものの、ちょっとひねりすぎだと感じた。

そのLPはチャイコフスキーの「幻想序曲『ロミオとジュリエット』」を収めたもので、ドラマで何回か再生される。邦題はこの曲のタイトルを利用したものだろうが、個人的には、やや安易で三流ミステリ風の題に聞こえてしまう。他のエピソードはうまいと思う邦題が多いシリーズだけに残念だ。ついでだが、bye-bye という言葉が入っている原題の意味もよくわからない。

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コメント 2

にゃんきち

いつも楽しく読んでおります。

既にご存知の熟語で、「これでは今一つ」とお感じになって書いてないのであれば、流していただいて結構ですが、

原題はひょっとすると be blown sky high のもじりなのかなと思いました。
http://eow.alc.co.jp/search?q=blow+sky-high

これだと「徹底的に言い負かされる」の意味を含み、ラストとかみ合うような気がします。

(ミステリチャンネルで本作を見ていた時は、単純に「逮捕されてバイバイ」だと思っていましたので、考えもしませんでしたが)

ラストシーンは、みごとなローカライズですね。文芸翻訳のダジャレやなぞなぞは読みづらいものも多いので、変なルビや訳注処理をやめて、こういう思い切ったもの(文化や言語に合わせた翻案を許容したもの)が増えるといいな、と、個人的には思います。

by にゃんきち (2015-04-19 12:59) 

tempus fugit

なるほど、be blown sky high かもしれないというのはおもしろいですね。考えつきませんでした。ありがとうございました。

by tempus fugit (2015-04-19 23:11) 

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