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frisky 「はしゃぎ回る」「さかりのついた猫のような」 (刑事コロンボ「死者のメッセージ」) [刑事コロンボ]

DVDで往年の名作「刑事コロンボ」のエピソード Try and Catch Me 「死者のメッセージ」を観た。ミステリとしては難点もあるが、味わいのある一編だ。そこに出てきた単語 frisky についていくつか気づいたことがあるのでメモしておきたい。

事件の担当であるコロンボ警部と売れっ子ミステリ作家の Abigail Mitchell (実は犯人)が波止場でたまたま出会って言葉を交わす場面に出てくるものだ(なおこのドラマは倒叙もの inverted story なので、犯人は最初から明らかにされている)。コロンボは犬を散歩させていて、下記の he はこの愛犬を指す(ちなみに Dog と名づけられている)。

- コロンボ: He loves the ocean.
アビゲイル: How can you tell?
コロンボ: It makes him frisky.
(海を見ている犬に) Had enough? Okay. Now don't go away. Stay.
He's trained.
アビゲイル: Amazing.
(Columbo: Try and Catch Me)

動詞の frisk はミステリなどではおなじみで、「(武器を持っていないか)~を服の上から触って身体検査する、ボディーチェックする」(pat down という表現もある)、また「家宅捜索する」ことを指すが、「~を軽快に揺り動かす」「跳ね回る」ということでもある(というよりこちらが本元の意味だろう)。

こうしたことは知っていたので、今回出てきた形容詞の frisky も、犬が「活発な」というようなことだろうとあたりをつけた。

ところが Dog は、のそっとしているところが飼い主そっくりで(もちろん製作陣がそういう設定にしたのだろう)、この場面でも走り回るわけでもなく、ぼけっと海に顔を向けているだけである。そこで、違う意味があるのではないかと不安になった。

改めて辞書を引いたらそれは思い過ごしで、確かに想像した通りだった。ただおもしろいと思ったのが、

- (子供・犬などが)元気に跳びまわる;陽気な、はしゃいでいる、よくじゃれる;(馬が)驚きやすい
- (of a person or an animal) liking to play or full of activity
- playful like a lively kitten
- syn: kittenish

などと、動物にからめた記述がいくつかの辞書にあったことだ。

用例を見ても、動物と使っているものが目立つ。コロンボのセリフは、その意味ではぴったりといえるだろう(かんじんの犬の様子は全然そうではないのが笑えるが)。大人やモノに使った例もあるので動物に限られるというわけではないが、動物や子供が元気に跳ねまわっているようなイメージを伴う単語らしい、と考えた。

いくつか用例を引用しよう。

- He bounds about like a frisky pup.
- It's a beautiful horse but a bit too frisky for an inexperienced rider.
- The frisky little dog was always happy to chase a Frisbee.
- Even the frisky anemones seemed to jump out in the screen.

- a frisky performance
- He is too frisky for an old man.

動詞の frisk も、「(動物がしっぽを)うれしそうに振る」という意味が載っていた。

- The dog frisked its tail.

さらに辞書を見ていて、frisky には別の意味もあることを知った。

- (informal) wanting to enjoy yourself in a sexual way
- informal feeling sexually excited

学習辞典にも記載されているくらいだから、意味的に俗語のように見えても、実はそれなりの地位を築いて(?)認知されていると考えてもいいのだろう。

しかし一方で、動詞の frisk には、辞書を見ても性的な意味合いは載っていなかった。こうしたところが、ことばのおもしろいところであり、むずかしいところでもある。そして、今後そうした意味が加わる(あるいはすでにそうなっている)可能性もないとはいえないだろう。

さて、「刑事コロンボ」は後期になると息切れ感が出てくると先日書いたが(→jar 「一杯のビール」)、最終シーズンにあたる7年目の一作である Try and Catch Me も、いくつか穴が感じられる。一方でそうした欠点を補う魅力があるのだが、先にアラに触れておこう。以下、「コロンボ」を知らない人にもわかるように書いてみるが、いずれにせよネタバレ spoiler がある。

犯行の手口 modus operandi は、誤って金庫室に閉じ込められたと見せかけて被害者を窒息死させるというもので、犯人が誰かを示すメッセージが現場に残されていたという、一種の dying message ものだ(作中では deathbed testimony という言葉が使われていた)。

犯人の名前を直接書き残す手段がなかったことを示すためだろう、被害者が他人にペンを借りる様子が描かれる。しかしアビゲイルは被害者をそれこそ frisk したわけではないので、本当に筆記具を身につけていないかどうかわからないまま犯行に及んだことになるのではないだろうか。

また車で犯人の家に来た被害者が、テーブルに車のキーを置いたままにする場面がある。キーを持っていれば何かに傷をつけてメッセージを書くことができるというツッコミを封じるためだろう。当然のように警察は、キーが見あらたないことに不審を抱く。アビゲイルはキーに気づいて隠したのだが、なぜかその後も捨てないままにしている。完全に処分してしまえば、疑いをかけられても「証拠がない」で済むはずなのに。

決定的証拠となるメッセージは、ラストシーンでアビゲイルの目の前で初めて見つかる形で描かれる。書くものがない状況で被害者はこんなやり方に気づいたのか、と感心はするが、唐突感の方が強かった。また、犯人に気づかれないように隠したにしてはさほど意外性のない場所にあり、何かのはずみで犯人が見つけるか、鑑識などが室内を徹底的に調べて発見してしまえば、どちらであれ名警部の出番はなくなってしまう。

しかしそれでも、このエピソードには独特の味わいがある。「刑事コロンボ」の犯人は、シリーズの前期は冷徹で利己的なエリートが多かったが、徐々に人情味のある、あるいは複雑な事情を持つ人物が出てくるようになる。

今回の犯人アビゲイル・ミッチェルは、個性的で元気なおばあちゃんだが、犯罪の動機は哀しいものだ。最後に逮捕される時は、涙腺をゆるませるような悲痛な言葉をコロンボに言う。出演時79歳だった Ruth Gordon というベテラン女優がこの作品の魅力を高めているのはまちがいない。

またしっとりとした音楽も作品の雰囲気に大変マッチしているし、コロンボも抑えめの演技で描かれている(ストーリー的に苦しくなった後期は、主人公のキャラクターに過度に頼ろうとしたのか、時おり不自然なほど大げさな身振りや芝居がかった話し方が見られることがある)。

久しぶりに「死者のメッセージ」を鑑賞して、アラがあるにもかかわらず、また観たいと思わせられる作品に仕上がっているとあらためて感じた。

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