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「イギリスなまりの英語」と"Multicultural London English" のこと (続・「イスラム国」人質事件) [発音]

邦人殺害事件について書いた前回は、イギリスから「イスラム国」に参加したとみられる「ジハーディ・ジョン」 Jihardi John について触れたが、日本では彼について「イギリスなまりの英語を話す」と書いた記事等があり、前から気になっていた。

そもそも「英語」とは「イギリスの言語」ということだ。仮に、ネイティブの発音には聞こえないがイギリス英語っぽいと言いたいのだとしても、「イギリスなまり」とはこれいかに、と思ったのである。「なまり」というなら、例えば「ロンドンの下町の~」のように使うべきではないだろうか。

なお「ジョン」の正体を当局は突き止めているらしいが公表はされていない。噂されている人物は複数いるがいずれもイギリス人のようだ。

英文記事では a militant speaking with an English accent などと表現されているが、やはり accent を「なまり」とするのはおかしいと思ったのか、「イギリス風のアクセント」「イギリス英語(人)のアクセント」としている記事も一方で目にする。

といっても、YouTube で聞くことのできる Jihardi John の英語は流暢だが、発音に詳しくない私でも、いわゆる Received Pronunciation (イギリス英語の標準発音、いわゆる「クイーンズ(キングズ)・イングリッシュ」)ではなさそうだと感じる。かといって(私は詳しくはないが) Cockney のようでもない。

RPを話す人はイギリスでも少数派だといい、労働者階級出身の故サッチャー首相がこれを身につける訓練をしたのはメリル・ストリープ主演の映画でも描かれていたと記憶する。ロンドンのパブで交わされるコックニーがわからなかった、とはよく聞く話だし(私もそうだった)、BBCでもRPではなく Estuary English (河口域発音)の話者を起用する機会が増えているという(→おすすめのネット英語講座 "BBC Learning English")。

「ジハードのジョン」については、the knife-wielding masked man with a London accent と書いた記事もあるので、ロンドンで聞かれる発音ではあるらしい。さらに Wikipedia の記述を読んでいたら、

- He speaks with a "Multicultural London English" accent.
( http://en.wikipedia.org/wiki/Jihadi_John )

と書かれているのが目にとまった。そこからリンクされている "Multicultural London English" という項目には、

- Multicultural London English (abbreviated MLE) is a dialect (and/or sociolect) of English that emerged in the late 20th century. It is spoken authentically by working class, mainly young, people in London. However, elements of the sociolect are widely imitated throughout southern England.
(中略)
It is said to contain many elements from the languages of the Caribbean (Jamaica, Trinidad and Tobago and other Commonwealth Caribbean islands) and South Asia (India, Pakistan, Bangladesh and Sri Lanka), African American English, as well as traditional Cockney.
( http://en.wikipedia.org/wiki/Multicultural_London_English )

とあった。

その昔ロンドンを訪れた時にパブでの体験とならんで印象的だったのは、想像していた以上に非白人を目にするということだった。多民族社会を進めていることは知識としてはあったものの、やはりイギリス=アングロサクソンの国、という旧世代的な先入観があったのは否めない。

Multicultural London English も、そうしたロンドンの特徴の反映なのだろうが、上記に sociolect とあるように、地域性もさることながら社会集団を念頭に置いてとらえなくてはいけないようだ。

あるウェブの記事に "Is this the end of Cockney? Hybrid dialect dubbed 'Multicultural London English' sweeps across the country" (Daily Mail 紙)というタイトルがついていたように、いまや MLE はコックニーに取って代わる勢いで、ロンドンに限らず各地で広がっているらしい。「マイ・フェア・レディ」のヒギンズ教授が現代に生きていたらどのような反応を示すだろうか。

ランカスター大学の言語学部のサイトは、

- ...what we call 'Multicultural London English' (MLE), the (supposedly) ethnically neutral way of speaking which still contains many 'ethnic' features
(中略)
In addition to the problem of demarcation are questions about how and when children acquire it - is it from parents, or older children? - and also whether people continue to use it as adults. If the latter, the route to its permanent influence on English is clear.
( http://www.lancaster.ac.uk/fss/projects/linguistics/multicultural/overview.htm )

と書いている。

日本では、イギリス英語の参考書は多数あるが、主にRPを扱っているものと想像する。最近はインド英語についての本も出るようになっているくらいだから、そう遠くないうちに、Multicultural London English の学習書も出版されるかもしれない。

タグ:日本語
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