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When the going gets tough, the tough get going. 「苦しい時はタフな奴の出番」 [英語文化のトリビア]

先日取り上げた man up 「男の気骨を見せる」 chin up 「めげずにがんばる」から連想したフレーズが When the going gets tough, the tough get going. である。同じ単語をうまく使った形で、語呂もいい。

初めて目にした時は、これは何だ?と思ったが、the going は「状況」「事態」、続く tough は「困難な」だが、その次の名詞 the tough は「強い人、タフな人」(総称の複数扱い)、get going は「動き出す、本腰を入れる」、だということがわかれば、「なあんだ」ということになるだろう。

英語での説明では、Wikipedia が参考になった。

- ..."the going" means "the situation," "gets tough" means "becomes difficult," "the tough" means "people who are strong or enduring," and "get going" means "become fully engaged." Taken together, the meaning of the phrase is "When the situation becomes difficult, the strong will work harder to meet the challenge."
( ttp://en.wikipedia.org/wiki/When_the_going_gets_tough,_the_tough_get_going )

このようにわかりやすい英語で説明されているが、その続きの記述もおもしろかった。

- Another interpretation could mean, "Those who act tough and proud will vacate a situation when it becomes difficult lest they be proven not as tough as they appear to be."

Yet another interpretation could mean, "When the situation becomes almost impossible, those who are truly strong are wise enough to pull out, rather than being totally decimated."

つまり、「いかにもタフガイのように振舞っている奴は、事態が深刻になると、実はそれほどでもないことがバレないように、さっと身を引いてしまう」、あるいは、「状況が手に負えなくなってきた場合、本当に切れる人は、取り返しがつかなくなる前に潔く手を引く道を選ぶ」、というような意味にもなる、ということであろう。

こうした場合の get going は、「出発する、他のところへ向かう」というような意味として使われているはずだ。スタコラ逃げ出すのか、賢者の判断に基づいてガチな取り組みを避けるのか、という違いは大きいが。

ただ、こういった「変化球」的な解釈は辞書には載っていないこともあり、やはり冒頭にあげた意味で使うのが王道なのであろう。

また Wikipedia によると、この言葉の由来は、

- The origin of the phrase has been attributed both to Joseph P. Kennedy (1888--1969), father of U.S. President John F. Kennedy, and sometimes to Norwegian-born American football player and coach Knute Rockne (1888--1931).

ということだそうで、ケネディ大統領の父ジョゼフ・P・ケネディ、あるいはヌート・ロックニーというアメフトのコーチが言い出した、という2説あることになる。後者はアメフト史上に名を残した大物ということだ。

私はこの表現を歌か何かで知ったというおぼろげな記憶しかなかったが、今回ウェブの記述を見ていて、どうやらビリー・オーシャン Billy Ocean が歌った1985年の映画「カリブの宝石」 The Jewel of the Nile の主題歌(邦題は「ゲット・タフ」)であるらしいことを知った。

余談だが、「男」と「タフ」といえば連想するのは、レイモンド・チャンドラー Raymond Chandler のハードボイルド小説「プレイバック」 Playback に出てくる主人公フィリップ・マーロウの言葉、「男はタフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」だろう。

しかし原文は(ファンの間では結構知られているのだろうと思うが) If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive. だそうで、tough という単語は使われていないし、主語も「男」ではなく、主人公の一人称 だ。

しかも邦訳では、「しっかりしていなかったら、生きていられない。優しくなれなかったら、生きていく資格がない」と訳されているそうで、原作とは関係ないある映画の宣伝に「男はタフでなければ・・・」という形で使われ、それが知られるようになってしまったようだ。

私は軟弱なためか、以前も書いたようにハードボイルドものの魅力がどうもよくわからず、愛読しているわけではない(→ reply with uninterested yeses and noes 「気のない返事」 (ハメット「マルタの鷹」))。というわけで、今回のトリビアも、マーロウのこの言葉を最初に取り上げたとされる丸谷才一の本にお世話になった。

快楽としてのミステリー (ちくま文庫)

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  • 作者: 丸谷 才一
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2012/11/07
  • メディア: 文庫


タグ:音楽
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