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a man for all seasons 「どんな状況でも頼りになる人」 [辞書に載っていない表現]

前回取り上げた the best of both worlds 「いいとこ取り」と関係はないが、何となく連想した表現が a man for all seasons である。実は、いまだにしっかりしたイメージが持てない言葉でもある。

これも、前回と同じように、映画のタイトルで知った。A Man for All Seasons は1966年のイギリス映画で、邦題は「わが命つきるとも」である。若い頃に何かで観たが、自分の信念に殉じた実在の人物トマス・モアを描いた重厚な歴史劇で、正直、エンターテインメントとして楽しむのには向かない作品だ。

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「オールシーズンの男」(?)とはおもしろいタイトルだなと思ったが、その時はなぜかそれ以上詳しく調べようとは思わなかった。

その後海外に出張した時に、その場にいた英語のネイティブ同士が誰かについて "He is a man for all seasons." のように言っているのが聞こえた。そういえば、そんなタイトルの映画があったなと思いだしたが、奥ゆかしい日本人の私は、見知らぬ外国人の会話に割り込んで「それは一体どういう意味ですか?」と尋ねる厚かましさもない。

耳に入る会話の流れから、その人のことを高く買っているらしいことはわかった。「どの季節でもやっていける男」ということで、「どんな状況にも対応できる人」というような感じだろうか、とぼんやり思った。

当時持っていた辞書を引いたが、この表現は載っていなかった。いま「リーダーズ英和辞典」を引いてみると記述があるが、映画の原作である1960年の戯曲について「すべての季節の男」としているだけで、これでは意味がよくわからない(といっても、これは戯曲の邦訳のタイトルがこうなっているからで、「リーダーズ」はそれを紹介しているのにすぎない)。

続いて for all seasons を引くと、「どんな状況にも順応する」とか adaptable to any circumstance とある。私の想像もそれほど違っていなかったようだ。

今回あらためて調べてみると、映画の主人公であるトマス・モアのことを同時代の人がこのように呼んだことを知った。言葉についてのウェブサイト The Phrase Finder に、意味と由来について、次のような説明がある。

- It means "a man for all occasions, whether happy or serious". It's a quotation by Robert Whittington, a contemporary of More, who in 1520 said: "More is a man of an angel's wit and singular learning. I know not his fellow. For where is the man of that gentleness, lowliness and affability? And, as time requireth, a man of marvelous mirth and pastimes, and sometime of as sad gravity. A man for all seasons."

a man for all occasions と言い換えているから、やはり上記のような意味だろう。これを読み、さらに映画の内容をウェブで確かめて、これで一件落着。、、、と思ったが、しだいにどうも腑に落ちないことがあるのに気づいた。

モアは揺るぎない信念を持ち、カトリックへの信仰を貫いた結果、国王から死罪を言い渡された。つまり「状況に順応しない人」だったことになり、むしろ逆といえるのではないか。

この言葉を別の意味でとらえている説明もあった。

- More’s contemporary, Robert Whittington, coined the phrase “A Man for all Seasons”in 1522 to describe More’s multi-faceted but reliable character: (この後は、上記と同じ Whittington の言葉の引用)
( ttp://www.novelguide.com/a-man-for-all-seasons/essay-questions )

ここでは「多面性を持ち」ながらも「頼りになる」、といった意味に取れる。

さらに、a man for all seasons という形で載せている辞書はほとんどないものの、数少ない記載を見つけたので読んでみると、

- (slightly formal)
a man who is very successful in many different types of activity
Usage notes: This is the title of a play about Sir Thomas More.
He's chairman of a large chemicals company as well as a successful painter - really a man for all seasons.
(Cambridge Idioms Dictionary, 2nd ed.)

とあり、 adaptable to any circumstance というようなニュアンスははっきりとは感じ取れない。また、「偉大な才能の持ち主」としているウェブの英和辞典があった。

さらに英語圏のサイトで「 a man for all seasons とはどういう意味ですか?」という質問がいくつかあるのも見つけた。しかも回答者によって答えが結構バラバラで、「自信はありませんが」という断り書きがついているものもある。

「多分こうだと思います」という回答を含めて、いくつかを引用してみよう。

- a totally reliable man

- one who has the courage of his convictions and who keeps to those convictions no matter the prevailing "season," no matter what's popular or safe.

- a man happy all the time in any condition. he rarely mind anything

- a man that does well under any circumstances and political regimes

- I think "A Man for All Seasons" refers firstly to Sir Thomas More's integrity and character; that a person of this high caliber is truly what it means to be a man and no matter the circumstance or time, he will rise to the challenge of being the man God has created him to be.

- a hero bigger than life, or rather a hero whose moral sway is so prepossessing that he evokes a human response beyond any limiting considerations of time or place

- it means he is a man of his word, can be counted on always and he never changes. He is consistent and there for you. Or it could mean he changes with the wind and goes with the flow...well got myself confused

最後の人など、「信念を貫く」「頼りになる」としたあとで「流れに逆らわない、ということかも」と書き、「自分でもわからなくなっちゃった」と正直に述べている。

これほど異なっていると、まさに表現自体が(ポジティブな意味なら)「どんな状況にも対応できる」感じである。

ならば、この表現が使われた実例を読んでみればイメージが明確になるのではないか。PCに配慮した形でも使われているのではとも思い、man を person にして調べてみた。

- "She is truly a 'person for all seasons,' '' Mr. Reagan said this morning, ''possessing those unique qualities of temperament, fairness, intellectual capacity and devotion to the public good.

- you have the inherent flexibility in your personality to be able to adjust your behavior to most circumstances and environments you encounter - in other words, you are a person for all seasons.

- a person of conscience will stand by their principles regardless of external pressures and the temptations of short term gain. By abiding by their principles, such individuals forfeit the temptations of power and its abuse. They remain true to themselves, a person “for all seasons”,

一つ目は「いくつもの長所を持つ」、二つ目は「順応性が高い」、三つ目は「ぶれない」という感じで、やはり絞り込める感じではないようだ。

500年前に Robert Whittington が具体的にどういう意味でこの言葉を使ったのかはともかく、最小公倍数としては「確固たる信念を持つとともに、多才で、さまざまな状況に対応することができる、頼りになる人」という感じだろうか。ただ、これでは今回のエントリのタイトルとしては長すぎる。

そこで、苦しまぎれの最大公約数を考えて表題のようにしてみたが、どうもうまくない。いっそのこと「立派な人」くらいにしてしまったほうがいいか。

いずれにせよ、この表現について明確に説明していただける方がいらしたら、お願いできればと思うしだいである。

最後に、今回いろいろ調べていて、これはうまいなと思った文を引用して終わりにしたい。

- She is not only a person in all seasons but a person of all reasons.

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