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limey 「イギリス人(俗語)」(「007 黄金の銃を持つ男」) [英語文化のトリビア]

007映画が50周年を迎えたのを機会に、原作の小説を原文で読み進め、このほどシリーズ全巻を読破したと先日書いた。読んでいて、複数の作品で目にとまったのが limey という単語だ。

ほとんどの場合、敵がジェームズ・ボンドを指して、あるいは直接呼びかける際に使っているので、人についての何らかの言葉だという想像はつく。実例をあげると、

- 'Can't expect a Limey to understand the way things are over here these days.'
(Ian Fleming: Diamonds Are Forever)

- Just you leave him to me. For all I know he may be this James Bond man Mr. Hendriks has told us about. I should worry. I don't like limeys. Like some good Yankee once said, 'For every Britisher that dies, there's a song in my heart.'
(Ian Fleming: The Man with the Golden Gun)

何回目かに目にした時に辞書を引いてみた。

- (時に L~)(米・カナダ・豪-俗)(侮蔑)英国船員(水兵);英国船;英国人(((PC)) British sailor (ship, person))
(ジーニアス英和大辞典)

なるほど、意味は単純明快だ。俗語で蔑称としても使われるというので、非ネイティブスピーカーは自分からは使わず、あくまで見て聞いてわかる、という範囲にとどめておいたほうが安全だろう。

しかし、どうして limey がイギリス人を指すのだろうか。

辞書を見ると、

- Word Origin
abbreviated from C19 lime-juicer, because British sailors were required to drink lime juice as a protection against scurvy (注・scurvy:壊血病)
(Collins English Dictionary)

- 1888, Australian, New Zealand, and South African slang for "English immigrant;" U.S. use is attested from 1918, originally "British sailor, British warship," short for lime-juicer (1857), in derisive reference to the British Navy's policy (begun 1795) of issuing lime juice on ships to prevent scurvy among sailors. In U.S., extended to "any Englishman" by 1924.
(Online Etymology Dictionary)

つまり、イギリスの水兵が、壊血病の予防のためにライム果汁を飲まされていたことから lime-juicer と呼ばれるようになり、さらに limey となったというわけである。なお、かなり前にここでも書いたように、juice は「ジュース」と違い、100パーセント果汁を指すので注意が必要だ。

ところで、上記007からの2つ目の引用は、「黄金の銃を持つ男」というニックネームを持つボンドの敵スカラマンガ Scaramanga の言葉だが、ここに出てくる 'For every Britisher that dies, there's a song in my heart.' とは何だろうか。

先日取り上げた annotated (注釈)本が007の原作についても出ており、一冊買い求めたのだが、それを見たらちゃんと説明が載っていた。

- Variation of Ben Hecht's (b. 1894 - d. 1964), quote 'There is a song in my heart whenever I hear a British soldier being killed in Palestine.' (後略)
(John Griswold: Ian Fleming's James Bond - Annotations and Chronologies for Ian Fleming's Bond Stories)

ベン・ヘクトはアメリカの脚本家・映画プロデューサーでロシア系ユダヤ人、「イギリス統治下にあったパレスチナにおけるユダヤ人の反英運動(破壊工作など)を積極的に支援したことから、彼の作品はイギリスでボイコットを受けた」(日本語版ウィキペディア)のだそうだ。

なお、この他にイギリス人を指す単語といえば、John Bull や、上記の引用にも出ている Britisher、あるいは Brit などがある。

大学生の時だったか、ハンガリーの作家ジョルジ・ミケシュ George Mikes がイギリス人についてユーモアたっぷりに書いたエッセイ How to be an Alien という本を愉しく読んだ。調べたら、How to be a Brit というタイトルで今も手に入ることがわかった。内容はもちろん忘れてしまったので、いつかまた読んでみようかと思う。

ミケシュには、日本について書いた同じ路線の作品 The Land Of the Rising Yen があり、これもおもしろく読んだが、こちらは現在では入手は難しそうである。

参考記事:
・annotated 「注釈をつけた」(「詳註版・不思議の国のアリス」)
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2013-04-24
・juice をめぐる表現さまざま
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2007-07-10
・アメリカ人も「イングランド」を「イギリス」と間違える
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2013-07-24


Ian Fleming's James Bond: Annotations And Chronologies for Ian Fleming's Bond Stories

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