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elbow aside 「押しのける」 (英誌「エコノミスト」の安倍首相特集) [ニュースと英語]

イギリスの雑誌 The Economist 最新号が安倍総理大臣をカバーで取り上げた。スーパーマンのような格好をして(胸には¥マーク)、見出しもスーパーマンのよく知られたキャッチフレーズをもじっている。

Economist_20130518_abe.jpg表紙下側の副題は、"Abenomics, nationalism and the challenge to China"である。昔と違って日本と中国の立場が逆転したことを、"the challenge to China" という言葉に改めて感じる。

そして巻頭 leaders の記事 "Abe’s master plan" は、副題にある3つのポイントを中心に書いたものだが、中国にからんで下記のようなくだりがある。

なお leader はイギリス英語で「主要記事」「論説、社説」(editorial) という意味。「エコノミスト」のこの欄は、性質上、確かに世界の各界指導者の言行が取り上げられることが多いので、カン違いしないよう気をつけたい。

- Economic decline took on a new reality in Japan when China elbowed Japan aside in 2010 to become the world’s second-largest economy. As China has gained confidence, it has begun to throw its weight around in its coastal waters and with Japan directly over the disputed Senkaku/Diaoyu islands. Earlier this month China’s official People’s Daily even questioned Japanese sovereignty over Okinawa.
http://www.economist.com/news/leaders/21578044-shinzo-abe-has-vision-prosperous-and-patriotic-japan-economics-looks-better/

この elbow ... aside は、いかにもひじを使って他人を「そこのけ」と押しやる、というイメージが目に浮かぶようで、おもしろい。

さらに読み進むと、記事は

- Abenomics, with its fiscal stimulus and monetary easing, sounds as if it is an economic doctrine; in reality it is at least as much about national security.

と喝破している。副題の nationalism につながってくるわけである。

途中は端折るが、締めくくりで「エコノミスト」誌は、

- Mr Abe is right to want to awaken Japan. After the upper-house elections, he will have a real chance to do so. The way to restore Japan is to focus on reinvigorating the economy, not to end up in a needless war with China.

と書いている。

この記事は、最初の方では一見「1期目とは別人のような安倍首相」と持ち上げているようでいて、見え隠れするナショナリストとしての安倍氏の本質を指摘した上で、それを前面に打ち出すことが日本再生につながるものではなく、あくまで経済に軸足を置くべきだ、とクギをさしているように読める。

1期目の安倍首相については私も当時何回か記事を書いたが、政権内の一連のスキャンダルや自身の健康問題がなくてもいずれは行き詰まっていただろう。この時の安倍氏は、当初の人気を自分の信条に対する理解と受け取って保守的な政策を進めたが、国民の大多数が求めていたのはそうしたイデオロギー的色彩の強い施策ではなく、暮らしをめぐる取り組みだったはずだからだ。

そして再登板した安倍氏は、高い支持率を受けて憲法改正などをめぐり一時威勢の良い発言も飛び出し、結局前回の経験に学んでいないのかとも思ったが、その後巧みに軌道修正しているようだ。一方で、中国の最近の行動は、安倍氏のナショナリストとしての路線が1期目より国民に受け入れやすい環境を作り出しているともいえるだろう。

仮に次の参院選で大勝しても堪えるかもしれないが、「アベノミクス」が実際に肌で感じられる tangible な効果をあげたとしたら、安倍氏が真に望んでいるはずのナショナリズム的政策を打ち出すだろうと想像する。そうなった時に国民は本当の選択を迫られることになるのだろう。

The Economist の特集は、この leaders の文章のあと、"Japan and Abenomics - Once more with feeling" という、より長文の具体的な分析記事が続く。毛利元就の「三本の矢」の故事の説明も出てくる。
http://www.economist.com/news/briefing/21578052-shinzo-abe-shaking-up-japans-economy-seems-different-man-one-whose-previous

かたい話が続いたが、「エコノミスト」の表紙にある "Is it a bird? Is it a plane? No...it's Japan!" はスーパーマンのキャッチフレーズのもじりだと冒頭に書いたが、オリジナルは、"It's a bird! It's a plane! It's Superman!" であり、ちょっと違う。この「英語文化のトリビア」についてさらに書こうと思ったが、すでに長くなってきたので、次回取り上げることにしたい

ついでだが、elbow からの連想で、「人をかきわける」ことを表す英語表現を取り上げたことがある気がして過去のエントリを見返したら、確かに以前書いていた(elbow にも言及していた)。あわせてご覧いただければ幸いである。

参考記事:
・鳥だ!飛行機だ!いや、スーパーマンだ!~ Superman のキャッチフレーズをめぐって
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2013-05-25
・「人の波に逆らって歩く」
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2011-02-03

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